09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

HARUのスローライフ日記

~死す時は宮古の海に抱かれて~

(9/27)「多良間島回想録予告」の巻 

――2017/8/14ブログ予告――
※近々正式に更新予定。

20170814 yokokuhen
先日ようやく「8月13日」のブログを更新したばかりだが、今日は「8月14日」の画像フォルダを確認できた。
あぁ、この日はこんなことがあったなぁ……、などと思い出をフラッシュバックさせながらページをめくる。
これからは毎日少しずつでも時間を作るようにして、この夏の思い出をまとめていこうと思う。

ちなみに8月14日の夜はこんな出来事があった――。
2017/09/27 Wed. 23:00 | trackback: -- | comment: -- | edit

(8/13)「多良間島4日目動画ダイジェスト」の巻 

もう記憶がかなり曖昧なのだが、これらはすべて未公開動画だと思う。
撮影日からはもう1ヵ月以上経過しているが、この日の記憶は未だ鮮烈に覚えている。
懐かしさと共に、俺もこの日にタイムスリップしよう。

(2017.08.13)「午前8時のメロディーに怯える動物たち」の巻

午前8時になると集落にこのメロディーが流れる。
朝なのになんて切ないメロディー。
それはいいとしても、このメロディーが流れると動物たちが怯えた声を出すのが面白かった。

(2017.08.13)「海底に広がる砂紋」の巻

海底には波によって作られる美しい砂紋が広がる。

(2017.08.13)「海中を舞う魚たち」の巻

魚の数は多い。

(2017.08.13)「透明度が良すぎて目測を見誤る」の巻

海底にウミガメを見つけた。
水深8m前後だろうと思って潜水。
しかし水深9.5mを過ぎても一向にカメとの距離が縮まらない。
多良間島の海の透明度が良すぎて、完全に目測を見誤ったのだった。

(2017.08.13)「グランブルーの2匹のカメ」の巻

マキさんの言葉通り、ウミガメが次から次へと現れた。
最終的にはウミガメがいても気にかけることもなくなった。

(2017.08.13)「コショウダイに手を伸ばしてみる」の巻

手で触れられそうで、やっぱり触れられない。

(2017.08.13)「多良間空港前交差点」の巻

多良間島のまもる君はこの交差点にいる。

(2017.08.13)「ふる里海浜公園」の巻

多良間島の中で俺がいちばん落ちつける場所。

(2017.08.13)「八重山遠見台最上階からの眺め」の巻

遠見台からは水納島が見える。

(2017.08.13)「夜の海を疾走するボート」の巻

闇の中を切り裂いて沖へ向かう。

(2017.08.13)「漁師 vs IE」の巻

夜のオーバーリーフは興奮の連続だった。
2017/09/25 Mon. 23:30 | trackback: -- | comment: -- | edit

(8/13)「多良間島4日目」の巻 

20170813 taramajima (3)
爽やかな朝。
朝の海はいい。
清々しさに充ち溢れている。

20170813 taramajima (2)
午前中、マキさんとNさんと3人でシュノーケリングに行くことになった。
Nさんとは、たまたま同じ宿で知り合った。

もともと俺とマキさん二人で海に行く予定だったのだが、急きょNさんも参加することになった形だ。
シュノーケリングの道具を何も持っていなかったNさんは、マキさんから器材を借りることになった。
多良間には観光で来ていると言っていたので、おそらくNさんは普段シュノーケリングなど、ほとんどしない人なのだろう。

今日はビーチからエントリーする。
昨日のボートエントリーと違って、そこまで遠くに行くことはないだろうから安心だ。
本当に昨日はどうなることかと思った。

干潮ではなかったが、ある程度リーフエッジ近くまで歩いて行くことができるポイントだった。
途中からは泳がなければならない深度の場所もある。
歩きと泳ぎを何度か繰り返し、ようやくリーフエッジまで辿り着く。

ふぅ……、やっと着いた――。

きっとこのへんのドロップオフ沿いを泳ぐのだろう。
楽しいシュノーケリングになりそうだ。
そう思ったのもつかの間、マキさんが沖のほうを指さし、俺を凍りつかせる爆弾発言を放つ。

「よし。じゃあ、とりあえずあのダイビングボートのところまで行くか」

(はい?ダイビングボート……?とりあえず?)
(え~と、ボート、ボートと……、ボートなんかどこにあるんだ……?)
(うん?そういえば、沖のほうに何かうっすらと見えるな……)
(とってもイヤな予感がする……)

20170813 taramajima (5)
俺はカメラのズームを最大にしてその「遠くにうっすらと見える物体」を撮影した。
それがこの画像である。
モニターで確認すると、確かにボートが停泊している。

「え、もしかして、あのボートのことッスか?」
(もしかしてもなにも、ボートはその一艘しかないのだが)
「そう、あれあれ」

「けっこう遠くないッスか……?(汗)」
(お願い!遠いと言って!)
「いや、30分もあれば行けるだろ」

(ガーン!!マキさんとの距離感の認識がまるでかみ合わねぇ!!)
(いや……、マキさん、だからその……、30分っていうのが、けっこう遠いんスけど……)
(ダメだ……、この人の距離感は完全にマヒしている……)
(マキさんの辞書には「危険」とか「躊躇」とかの文字は存在しねぇ!!)

俺はこのとき、昨夜のマキさんのエピソードを思い出していた――。

・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「今まで海で危ない目に遭ったこととかないんスか?」
「あぁ~、何回かあったな。かなり沖まで出たら、急に潮が速くなって岸に戻れなくなったとか(笑)」

「え!で、どうしたんですか?!」
「仕方ないから、そのまま5~6時間漂流してた。そしたらそのうちたまたま船が通りがかったんで助けてもらった(笑)」
「あの時はまいったなぁ……、ハッハッハッ」

(いや、マキさん、それ笑ってる場合じゃないッスよ!!)
(一歩間違えば確実に死んでるじゃないスか!!)
・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

話を戻そう。

(ガーン!!マキさんとの距離感の認識がまるでかみ合わねぇ!!)
(いや……、マキさん、だからその……、30分っていうのが、けっこう遠いんスけど……)
(ダメだ……、この人の距離感は完全にマヒしている……)
(マキさんの辞書には「危険」とか「躊躇」とかの文字は存在しねぇ!!)

俺は典型的な日本人。
ここで「ちょっと僕には無理なんで、行きたくないです」などと言えるわけがない。

それどころか、逆にマキさんの海人魂に火を付けるようなことを言ってしまう。
「30分か……、行けそうですね!(無理無理!)」
「いいッスね(ちっとも良くない!)、行きましょう!」(後悔!後悔!激しく後悔!)

しかしNさんは大丈夫だろうか。
俺自身も不安だが、シュノーケリング道具さえ持っていなかったNさんが心配だ。
そんなNさんの様子を見ようと後ろを振り返った。

20170813 taramajima (7)
(あれ?Nさんがいない……)
水中を確認してみる。
(え!!なんかスゲー深さまで潜ってるんですけど!!)
(あなたいったい何者なんスか!!)
※あとで分かることだが、実はNさんはダイビングのベテランインストラクターだった……。

というわけで、この海のスペシャリスト2人と、リーフエッジからかなり沖にいるボートまで泳ぐことになった。
いつもは率先して海に行き、なかなか帰ろうとしない俺だが、なぜかマキさんといると、すぐ岸に帰りたくなる。
この人たちに付いて行ったら、竜宮城ではなく、あの世に逝っちまいそうだ……。
俺は泣きながら、マキさん、Nさんと、遥か彼方のダイビングボートを目指した。

こうして、2日連続で「死ぬかもしれない」という、心臓に良くないシュノーケリングの旅になるのだった……。

20170813 taramajima (1)
マキさんはアウトリーフのボートを目指しながらも、水中の獲物を探すのに夢中だ。
NさんはNさんで、海底付近まで潜って写真を撮りまくっている。
俺は無事に岸に戻れるよう神様に祈りを捧げながら半ベソで泳いだ。

20170813 taramajima (6)
マキさんが、このへんはウミガメが多いと言っていた。
時には邪魔なくらいいるらしい。
その言葉通り、アウトリーフに出るとすぐに1匹のカメが姿を現した。

シャッターチャンスとばかりに撮影をする。
するとまた近くに1匹のカメが現れる。
また撮影する。

するとまたカメが……、という具合に本当にカメがたくさんいるポイントだった。
マキさんの言っていたことは本当だったのだ。
最初の10分くらいは俺も夢中でシャッターを切っていたが、もうそのあとはカメの写真を撮ることはなかった。

20170813 taramajima (8)
それよりも俺には驚くべきことがあった。
多良間島の海の透明度である。
宮古島で数多く潜ってきたおかげで、海底までのおおよその深度はつかめる自信があった。

ところが……。

海底の岩場でカメが休憩しているのを見つけた。
その場所までは、過去の経験から大体8mくらいの深さだと推測できた。
8m程度なら、そこまで体力や酸素を消費することもないだろう。

さっそく潜水開始。
何回かフィンキックをしたのだが、なかなかカメとの距離が縮まってこない。
これはおかしいと思い、ダイバーズウォッチで確認すると、すでに水深は9.5mを指していた。

そしてカメのいる場所は、そこからさらに数メートルほど下だった。
そんなバカな……。
帰りの浮上分の酸素を考えると、これ以上は危ないと思い、俺は浮上することを余儀なくされた。

俺が8mの深度だと判断した場所は、実際には12~13mの深度だった。
つまり多良間島の海は、宮古島の透明度のさらに上をいっているということなのだ。
(もちろんその日の潮や天候にも左右されるのだろうが……)

水深をそこまで大幅に見誤ることなどほとんどなかったので、潜るのが少し怖くなった。
この出来事以降、潜水するときは、かなり余裕を持って潜ることを心がけた。
この透明度に慣れるまでは多少の時間が必要かもしれない。

20170813 taramajima (12)
無事に岸に戻ることができたあと(神様ありがとう!!)、昼飯を食べるために一度宿へ戻った。
何度も書いているが、多良間島にはランチを食べれる店が1軒しかない(しかも「宮古そば」か「焼きそば」の2択)。
なので必然的に、またレトルトカレー(ハヤシライス)を食べるハメになった。

20170813 taramajima (15)
昼食後はドライブ&シュノーケリングポイント調査。
まずは島地図で大まかな方向を確認する。

20170813 taramajima (13)
あとはグーグルマップを見て細かい部分をチェック。
この繰り返しがずっと続く。
多良間島は似たような景色が多いので、道とビーチがなかなか覚えられない。

20170813 taramajima (16)
ここは普天間港へ続くフクギ並木。
唯一この港だけは特徴があってわかりやすい。
このフクギ並木の木陰は俺の好きな場所のひとつになった。

20170813 taramajima (17)
気になるものがあればすぐに車を停める。
急ぐ旅ではないし、誰かに気を遣う必要もない。
心のおもむくまま、気のむくままにのんびりと車を走らせる。

20170813 taramajima (14)
多くのビーチに立ち寄った。
みな似たようなビーチだが、それもまたいいかもしれない。
誰もいないというプレミア感が、俺を十分に満足させてくれる。

20170813 taramajima (19)
夕方になり集落のほうに戻った。
この「八重山遠見台」に登るためである。
2012年にも登った。ここに来るのはそれ以来ということになる。

20170813 taramajima (9)
けっこう長い階段を上がらなければならない。
途中何度か深呼吸。
やがて展望台へ。

20170813 taramajima (11)
多良間島を一望できる。
いま来た道を展望台から振り返る。
う~ん、風が気持ちいい。

20170813 taramajima (10)
遠くに見えるのが「水納島(みんなじま)」。
俺にとっては、文字通り「近くて遠い島」になりつつある。
そもそも多良間島に来た大きな目的のひとつは、この水納島に行くことだった。

だが今日もまた乗船を「拒否」された。
基本的に「H」という宿のオーナーが水納島までのチャーター船を出している。
したがって水納島へ行くためには「H」へ電話をして予約をしなければならない。

だが水納島行きの船に乗るのは、宿泊客が優先されるため、他の宿に宿泊している「部外者」は後回しになる。
多良間島に来てから毎日「H」に電話をしているが、いつも宿泊客でいっぱいで、未だに乗ることができないというわけだ。
もうだんだん行ける気がしなくなってきた。

20170813 taramajima (18)
「ふる里海浜公園」で一息。
この場所は本当に居心地がいい。
自分でも理由はわからないが、ここに来ると本当に落ちつく。

やがて陽は傾き、闇だけが支配する夜になった――。

20170813 taramajima (20)
俺は、ワッさん(漁師さん)、マキさん(漁師さん)、Nさんと、小型ボートに乗っていた。
ワッさんとマキさんが漁に出るというので、俺とNさんも同行させてもらえることになったのだ。
まさか多良間島に来て夜の海、しかもボートで漁に同行できるなんて夢にも思わなかった。

20170813 taramajima (22)
ワッさんとマキさんのナイトスキルは凄まじく、わずか2時間程でご覧の通り。
イセエビ、イラブチャー(ブダイ)、ミーバイ(ハタ)、などが船上に踊った。
今まで味わってきた感動とはまったく別物の感動が俺の全身を駆け巡る。

20170813 taramajima (26)
陸に戻ると4人で食卓を囲み豪華すぎる晩餐が開かれた。
「イセエビの姿造り」を前にして、まずはビールで乾杯。
このときの俺は、まさかこんな贅沢な宴が毎晩続くことになるとは思ってもいなかった。

20170813 taramajima (21)
「イセエビの姿焼き」――。
思えば「イセエビの姿焼き」なんて、今まで一度も食べたことがなかった。
今夜が人生初だ。

20170813 taramajima (24)
「イセエビのマヨネーズ焼き」――。
イセエビとマヨネーズを組み合わせて、うまくないワケがない。
今まで食べたことのない絶妙な味が舌の上に広がる。

20170813 taramajima (25)
ぶりっぷりなイセエビの身。
普通なら味を楽しむと同時に、レジでの会計が気になってしまうだろう。
だが今夜は目の前にある新鮮な海の幸を、何も考えず腹いっぱい食べればいい。

最高に幸せな時間。
こうして俺の多良間島4日目は過ぎていった。
ワッさん、マキさん、Nさん、素晴らしい夜をありがとう――。
2017/09/25 Mon. 23:00 | trackback: -- | comment: -- | edit

(8/12)「多良間島3日目」の巻  

20170812 taramajima (1)
多良間島上陸から約48時間後。
昨日まで顔も名前も知らなかった人たちと、地元漁師さんの船の上にいた。
SNSで情報が拡散していくように、俺の運命もまた目に見えぬ力でどこかへ導かれていく。

奇跡だったのか必然だったのか。
ふとした小さな出会いがキッカケで、俺は女子グループのボートシュノーケリングツアーに一緒に行けることになった。
俺自身、まさかこんな展開が起こるなんて予想もしていなかった。

船がリーフエッジを超えると海の色が一変した。

20170812 taramajima (2)
すごーーーい!!!!
ボート上で女子グループの歓喜の声が上がる。
そのあまりの美しさに、俺は逆に言葉を失った。

これが本物の多良間ブルー……。

昨日までビーチから見ていた海の色だって、十分すぎるほど綺麗だった。
だがアウトリーフの色はそれの比ではない。
物理的にはあり得ないのだが、ここの海の色は――透明な蒼――、そうとしか言いようがなかった。

だが多良間の海は、まだまだ俺を驚かせる。

20170812 taramajima (4)
水中へエントリーすると、いきなりホワイトチップ(サメ)が出迎えてくれた。
いきなりサメが現れるなんて、この島は俺の想像を軽々と越えてくる。
いったいこれからどんなことが起ころうとしているのだろう……。

俺は驚きと期待と興奮で、血流が速くなり、カラダが熱くなるのを感じた。

20170812 taramajima (3)
海に入ると女子グループも大興奮だ。
こんな最高の海でのシュノーケリング、一生のうちで何回できることだろう。
この海を前にして、平常心でいられるシュノーケラーなんているわけがない。

いや、待てよ。
一人だけいた。
常に冷静沈着なあの人が……。

20170812 taramajima (7)
通称マキさん。
俺が海好きなのを知って、今回、船に誘ってくれた人である。
俺など到底足元にも及ばない、正真正銘のリアルスキンダイバーだ。
マキさんは漁業権も所有しており、半分漁師、半分海人という、怖いものなしの海の申し子なのだ。

だが俺はまだこのとき、マキさんの本当の凄さを全然わかっていないのだった……。

20170812 taramajima (5)
ボート付近は水深8メートルぐらいのポイントだった。
このくらいの深度で潜水・浮上を繰り返すとかなり体力を奪われる。
体力温存のためにも、やたらに潜水するのは避けた方がいい。
しかしマキさんは、何度も潜水と浮上を繰り返し、その果てしないポテンシャルを俺に見せつけた。

20170812 taramajima (6)
船をフィンキックで引っ張るマキさん。
すげー……、というかわけがわからない(笑)。
さんざん潜ったあとで、よくこれだけのパワーが残っているものだ。

女の子たちもだいぶ疲れたようなので、そろそろ港へ帰ることになった。
俺ももう十分に満足した。
そのときマキさんが、船長にとんでもないことを言い出す。

「うちらはこのまま泳ぎながらビーチに戻るから、先に帰ってていいよ」
最初は当然、冗談だと思った。
だがマキさんに冗談めいた表情は一切ない。
完全にガチだ。

(ってことは……)
(え?マキさんいま「うちら」って言いましたよね?それってもしかして俺のことっスか?!)

船長と俺以外は全員女子。
どう考えても「うちら」というのは俺を指している……。

「泳いで帰ればいいよな?」
(完全に俺に向かって言ってますね?!(泣))

「え……、ここからビーチまで泳ぐんですか……?」
「1時間もかからないよ」
(い、1時間!!)
(1時間もかからないって、なんか日本語間違ってるんですけど!!)

船長がマキさんに最終確認する。
「本当にいいのか置いてって?」

「うん、大丈夫大丈夫」
(いや、マ、マキさん、俺まだ承諾してないっス!!)

「じゃあ気をつけてな」
(せ、船長、、い、行かないで~~~!!(号泣))

俺の心の絶叫をよそに、ボートは無情にも見る見る遠ざかって行った。

悪夢だ……。
ここから泳いで帰るなんて……。
俺の頭の中の「宮古島ダイブコンピューター」がビーチまでの距離を計算する。

(カチャカチャ……、カチカチ……)
「ココカラ、ビーチマデノキョリハ……」

(カチャカチャ……、カチカチ……)
「シマジリカラ、オオガミジマニ、イクグライノ、キョリニソウトウシマス」

ザ・死刑宣告。
明日が見えねぇ!!
おうちに帰りたいよぉ~。。。

だがもうこうなったら仕方ない。
マキさんについていこう。
何も考えずにひたすら泳げばいい。

俺は心を切り替えた。
船が行ってしまった以上、泳ぐしかない。
海面から見ると、陸は遠く見えるものだ。
けっこう意外と近いのかもしれないし……。

「じゃあマキさん、ビーチまで泳ぎましょう!」

うん?なぜかマキさんの姿がない。
嫌な予感がする。
マキさん、一体どこに……。

マキさん?!
マキさん!!
マ……、キ……さん……(絶句)!!

なんとマキさんは陸ではなく、沖に向かって泳いでいた。
片手にモリを持ち、夢中で漁をしながら……。
(このまま真っすぐビーチに戻るだけでも大変なのに、なんで沖に向かってるんスか!!)
まったくこの人、本当に何考えてんだか……(泣)。

俺は海のど真ん中で半ベソをかいていた。

そんな中、マキさんが俺を呼ぶ。
「ハル見てみ、あの岩陰にデカいイラブチャー(青い大型魚)が隠れてるぞ!」
(すみません、いまそんな状況じゃないんですけど……)

俺が抜け殻になった表情で呼応する。
「え……、は、はい、確かにデカいのいますね……(泣)」
「あれ獲りてぇな~!」

このとき俺は悟った。
もう一生、陸には戻れないかもしれない……、と。

そしてもうひとつ悟った。
世の中にはとんでもなく海が好きな人がいるのだ……、と。

俺は初めて泣きながらシュノーケリングした。
海の水が、いつもよりもしょっぱかったのは気のせいだろうか。
神様、無事に岸までたどり着けますように……。

なんとか地獄から帰還した俺とマキさん。
いや、地獄だと思っていたのは俺だけだ。
マキさんにとっては天国だったに違いない。

20170812 taramajima (8)
陸に戻ると、マキさんが昼食を作ってくれた。
昨夜の残りの「焼き飯」と「みやこそば」。
最高にうまかったなぁ……。

20170812 taramajima (9)
午後からは一人で島をめぐる旅に出る。
俺が「工場裏」と名付けたビーチに行ってみた。
浅瀬はご覧の通り、かなり穏やか。

20170812 taramajima (10)
干潮を利用してエッジまで歩いて行く。
そしてエッジから楽々エントリー。
宮古島ではあまり見ることのない砂紋が広がる海底。

20170812 taramajima (11)
海底には、こういった細い水路がいくつも走っていて、見ていてまったく飽きることがない。
何度も潜って海底付近を水中散歩。
本当に美しい……。

20170812 taramajima (12)
サザエが生息していることも確認。
多良間のことはまだまだ何も知らないに等しいが、こうやって少しずつ経験と知識が身についていくのがうれしい。
何もかもが新鮮。

20170812 taramajima (13)
陽が暮れる前に宿に戻った。
昼間のように見えるが、これでももう午後6時半。
南国にいると、時間の感覚が完全に狂ってしまう。

今回の宿のいいところのひとつは、この大きな器材専用の洗い場があることだ。
サイズ感がうまく伝わるか微妙だが、中央の青い桶も相当な大きさで、フルウェットスーツが余裕で水に浸かる。
器材を吊るすバーも、鉄パイプがガッチリと組まれており、びしょ濡れのウェットスーツをかけてもビクともしない。

20170812 taramajima (14)
午後7時半。
美しい夕焼けが空一面に広がる。
集落内にいてもとても静かで、この静けさは宮古島では得ることのできないもののひとつだろう。

20170812 taramajima (15)
マキさんが、夕食も作ってくれた。
もちろんすべて海鮮づくし。
どれもこれも本当にウマい。

マキさんと海の話に花を咲かせながら、多良間島の3日目が終わろうとしていた――。
2017/09/04 Mon. 23:30 | trackback: -- | comment: -- | edit

(8/11)「多良間島2日目」の巻 

20170811 taramajima (1)
多良間島に上陸してから初めて迎える朝。
ゆっくり過ごしたいところだが、そうもいってられない。
やることがたくさんあるのだ。

この宿は1泊しか空きがなかった。
午前10時までにチェックアウトしなければならない。
とてもいい部屋だったので、去るのは名残惜しい。

20170811 taramajima (2)
昨夜、広げた荷物を再びバッグに詰め込み、新しい宿へ移動。
ここが今日から3日間過ごすことになる部屋だ。
陽の光もたっぷり差し込み、フローリングも真新しく、清潔感に溢れている。

20170811 taramajima (3)
シャワールーム、トイレ(ウォシュレット)、32インチ液晶テレビ、大型冷蔵庫、エアコン、ローテーブル……。
完璧だ。昨夜、宿泊した部屋以上のクオリティー。
いったい多良間島のゲストハウス事情はどうなっているのだろう。

20170811 taramajima (4)
ただ問題は昼食だ。
前回もお話ししたが、とにかく多良間島には「食事処」というものが、ほぼ存在しない。
最終的に「そば処みどりや」以外に昼食を食べれるような「食堂的な店」は発見できなかった。
したがって観光客は、必然的にこういうものしか食べることができない。

20170811 taramajima (6)
荷物の片付けも終わったところで、さっそく海へ出発。
「昼食問題」は大きな悩みだが、そのマイナスを補って余りある美しい海。
そしてこの日も誰もいなかった。

20170811 taramajima (5)
思えば、多良間島のゲストハウスは両手で数えるほどしかない。
仕事関係で長期滞在している人が多いため、観光客の数などたかが知れている。
だから海で人に会わないとしても当然かもしれない。

20170811 taramajima (7)
エダサンゴが敷き詰められたビーチ。
多良間島の海の豊かさを象徴するかのように、大型のエダサンゴが打ち上げられている。
5年前とまったく変わらぬ光景だ。

20170811 taramajima (8)
宮古島では見られない特異な地形。
その独特な風景が旅の情緒を盛り上げる。
宮古島を見慣れてしまった俺には何もかもが新鮮だ。

20170811 taramajima (9)
多良間漁港の左隣りには、ちょうどいいサイズのプライベートビーチが広がっている。
この海の色を見ていると、シュノーケラーでなくても海に飛び込みたくなるに違いない。
天気もいい。

20170811 taramajima (10)
農村公園。
ここにあるシャワールームは、街中にある安いホテルよりも素晴らしい。
多良間島で驚かされたことのひとつとして、ここをはじめとしてシャワールームの充実ぶりが挙げられる。

前書きはこのくらいにして、いよいよシュノーケリングタイム――。

20170811 taramajima (11)
ここは2箇所目のポイント。
たしか「農村公園」近くのビーチだったと思う(記憶がかなり薄れている……)。
波が多少あったが、干潮時だったためリーフエッジまで歩いて行けた(歩いて行ける場所を選んだ)。

20170811 taramajima (12)
透明度はそこまで良くなかった(と思う)。
まったく知らないポイントでいきなりのリーフエッジ。
沖に出ると潮がかなり流れているという未確認の噂。

しかもこの日の海は穏やかとはいえない状況で、俺以外に人はいない。
もし何かあったら本当にヤバい。
俺は完全にビビリーと化した。

というわけで、不甲斐ない話だが、結局この日の俺はリーフエッジの波打ち際でチャプチャプ海に漂っていただけだった。

20170811 taramajima (13)
似たような入江が連続で続いているので、エントリーしたビーチの見わけもつかない。
帰りに迷わないように、かなり目立つ場所に「迷子防止用」にオレンジ色のバケットを置いた。
(「バケツ」というとなんか響きがイマイチなので、カッコつけて「バケット」と呼ぶことにした。)

※ちなみに後日談になるが、実際に俺は一度、戻るべきビーチが完全にわからなくなり、隣り合わせの似たようなビーチを右往左往するハメになった。

20170811 taramajima (14)
宿に戻り夕食を摂り、シャワーを浴びた。
かなり疲れていたので、今日は早く寝よう――、そう思ったのだが、俺の遊びへの欲求は睡眠欲を超えた。
そうだ、天の川を見に行こう――。
(早く寝ろよ……。)

道もまだ全然わからぬまま、漆黒の闇にビビりながら車を走らせた。
向かった先は、島のほぼ南に位置している多良間漁港。
ここなら天の川がよく見えるだろうと思っていたのだが、あいにく空は曇り空。

残念ながら天の川の写真は撮れなかった。

20170811 taramajima (15)
せっかくここまで来たのだからと、テトラポット周りを調査した。
ライトを照らして「何か」いないか目を凝らす。
小魚がいる程度で、特にこれといった収穫はなかった。

まぁ、何もかも思い通りになるわけがない。
今日はここでタイムアップ。
もう宿へ戻ろう。

明日はどんな1日になるのだろう――。

そんなことを思いながら、俺は再び漆黒の闇の中を、宿のある集落へと車を走らせたのだった。
2017/09/04 Mon. 23:00 | trackback: -- | comment: -- | edit