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HARUのスローライフ日記

~死す時は宮古の海に抱かれて~

(8/18)最後の朝――。 

いよいよ、この日がやってきた。
どんな旅にも、どんな人生にも、かならず終りは訪れる。
それは避けられない。

朝日を見に行った。
俺の好きな福山のビーチへ行った。
昨年の最終日も、たしか福山のビーチに来たと思う。
思い出の多い場所だ。

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水平線から昇る完璧な朝日が見れるなんて、最初から期待していない。
早朝の徐々に変わりゆく光のグラデーションが見れればそれでいい。
それを見ながら、自分の人生、今回の旅、そういったものを振り返る時間が俺は好きなのだ。

静かに打ち寄せる波の音を聴きながら、どこを見るでもなく、ただぼんやりと過ごした。
ぼんやりはしているが、心は真新しいナイフのように研ぎ澄まされているような感覚。
誰かといたらこの感覚は得られないだろう。一人だからこそ感じとれる宇宙の中の小さな自分の存在。

20150818 P8183479
波打ち際を散策した。
小さなタカラガイを2つ見つけた。
それらを岩の上に置いた。

潮が満ちてくれば、このタカラガイはやがて流されるだろう。
そしてまた大海原へ、あてのない旅がはじまる。
タカラガイに別れを告げて、俺は福山のビーチをあとにした。

宿に戻ると、昨夜、夕食を共にしたカズさんがいた。
カズさんに別れの挨拶をしなければならない。
別れは苦手だ。

カズさんの顔を見ると、さまざまな思い出が一気に噴き出してきて、別れの言葉を詰まらせる。
俺のブログにカズさんはそんなに登場するわけではない。
だがそれはあまり親しくないからではなく、逆に身近にいすぎるからなのだ。
自分の身近にいる両親やきょうだいを、あまりSNSに登場させないのと同じ感覚だ。

涙を必死でこらえ、奥歯に力を入れて、絞り出すように別れの言葉を告げた。
カズさんの表情も、俺と同じような表情をしていた。
お互いに言葉は少なかった。
それ以上余計なことを言うと、目から熱いものがこみあげてしまいそうだ。

カズさん、ありがとう。お元気で――。
2015/08/18 Tue. 06:30 | trackback: -- | comment: -- | edit