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HARUのスローライフ日記

~死す時は宮古の海に抱かれて~

(8/22)「見上げた先に!」の巻 

20160822 tenteki (1)
昼――。
病室のベッドの上。
デザインの面白味などまったくない、どこまでも単調で無機質な天井の模様を空虚に見上げていた。

20160822 tenteki (2)
これ以上、黒くはならないだろうと思われるほど、真っ黒に日焼けした肌。
その褐色の腕には、最も似つかわしくない点滴用の注射針が打ち込まれていた。
今回の宮古島、2回目の点滴である。

医療にはあまり詳しくないが、点滴にはスピードが重要な意味をもつらしい。
早いスピードで血流に送り込むと、点滴が短時間で済む反面、尿と一緒にすぐ体外へ排出されてしまう可能性が高いとのこと。
したがって、ゆっくりとカラダの中に送り込むほど、点滴の栄養成分が体内に長く滞在し、より効率良くカラダに溶け込むらしい。

今日の点滴は恐ろしいくらいに長い時間がかかった。
約2時間半という、『シンドラーのリスト』が観れてしまうくらいの絶望ロングランだった。
結局、病院に着いたのが午前11時20分で、支払いを済ませ、処方箋をもらったのは午後3時半を過ぎていた。

俺が宮古島へ来たのは、点滴を打つためではない。
こんがり小麦色に日焼けして、なぜ病院で点滴を打っているのか、自分でも意味不明である。
菜食主義のエスキモーぐらい謎である。

20160822 irabuoohashi
夜――。
トゥリバーの堤防の上。
海風に吹かれながら、刻一刻と万華鏡のように変化していく満天の星空を見上げていた。

体調が良くなったからではない。
部屋のベッドで天井を見上げて寝ているなら、海のそばで星空を見上げていたかっただけだ。
それに、具合の悪さが変わらないなら、気持ちのいい場所のほうが精神衛生上プラスではないか。

ゴツゴツした堤防のコンクリートの上に段ボールを敷き、そこに大の字で寝っ転がった。
食欲不振のため、体重はもうすぐ50キロを切りそうなくらい、やせ細ってしまっている。
おそらく知らない人が遠くから見たら、堤防に打ち上げられた細長い黒い流木に見えるだろう。

ただ星空を見ているだけではもったいないので、カメラを自動設定にして星空軌跡の写真も同時に撮影した。
今はカメラのセッティングさえも集中力に欠き、苦痛に感じてしまう。
できる範囲内での最低限の撮影になった。

水平方向に延びる光の帯は、伊良部大橋を渡って帰宅しようとする車のテールランプだろう。
方角が西になるため、星たちは伊良部大橋、伊良部島へ吸い込まれるように落ちていく。
人も星もみな帰る場所、帰るべき場所がある。

誰でもそうだろうが、自然の雄大さの中に身を置くと、自分自身の存在が本当にちっぽけに思える。
だが明日になれば、その自分自身のことだけで精一杯で、それが世界のすべてに思える。
結局、人の考え方など毎日、毎分、毎秒、常に変わるものなのだ。

自分の存在がちっぽけだろうが、大きかろうが、結局、人は誰でも自分と対峙して生きていかなければならない。
いま抱えている悩みが、宇宙レベルで考えたら微細なものでも、微生物レベルで考えたら脅威の大きさなのだ。
つまり、何を尺度として捉えるかが重要になってくる。
ポジティブに考えるのか、ネガティブに考えるのか、それこそが自分の価値が問われる部分なのかもしれない。

難しいことを書いていたら、アタマがショートしてきた。
体力面も精神面もひどく疲れている。
少し眠ろう。

明日は、少しでも体調が回復していますように――。
2016/08/22 Mon. 21:00 | trackback: -- | comment: -- | edit