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HARUのスローライフ日記

~死す時は宮古の海に抱かれて~

(4/26)「期待と絶望と……」の巻 

どうすれば幸せになれるのだろう――。
愚問だった。
そのときすでに幸せだったのだから。

本当に人生が一変してしまった。
世界が変わってしまった。
何もかもすべて。

「特別なこと」が幸せなんじゃない。
「当たり前のこと」こそが幸せだった。
「当たり前」を失ってみて初めてその大切さに気づく。

俺の幸せに対する価値観は、1ヵ月前と今とではまったく違うものになった。
あれがああだったら幸せなのに――、そんなことを空想していた桜の季節。
今は自分の目が「血管の浮き出ていない普通の白目」だったなら、もうそれだけで世界の誰よりも幸せだと感じられる。

なんとなく、しだけ血管が細くなってきたような気がする――、そう思う時がある。
しかし実際には、光の加減や、見る角度、目のコンディションの微妙なバランスで「そう見える」に過ぎない。
俺の中の「こうあってほしい」という願望が生み出す空しい幻覚なのだ。

たかが白目に血管が浮き出たくらいでクヨクヨするな――。
事故で顔がぐちゃぐちゃになったわけでもないし、失明したわけでもない。
そういったことに比べたら、何でもないような些細なことじゃないか。
そんなことで悩んでいる人生の時間のほうが、よほどもったいない。
終わってしまったことを今さら悔やんでも仕方ないのだから、前を向いて歩いていこう――。

1日の中で何度も、そんな風にポジティブに考え、自分自身を奮い立たせてみる。
だがそんな前向きな思いは長くは続かない。
鏡を見て現実を突きつけられるからだ。

不気味に赤く血管が浮き出た目――。
自分でも目を背けたくなる。
鏡から目をそらすことはできても、現実から目をそらすことはできない。

この目がもう治らないであろうことは、眼科での検診や、ネットからの情報で理解している。
それでも人は何かにすがろうとし、奇跡というものを期待してしまう。
そして「期待」を持ち続けるかぎり、つねに「絶望」も一緒に背負って生きなければならないことを知る。

このアリ地獄のような状況から抜け出せる可能性、未だゼロ%――。
2017/04/26 Wed. 23:00 | trackback: -- | comment: -- | edit