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HARUのスローライフ日記

~死す時は宮古の海に抱かれて~

(5/3)「罪の代償……」の巻 

ショックだった。
約半月ぶりくらいに「血管収縮剤」が入ってる市販の目薬を点眼してみた。
過去の充血時、この目薬をさせば、ほぼ100%改善していた。

それを久しぶりに使ってみることにしたのだ。
目薬をさして10分ほど目を休ませた。
どのくらい改善されるものかと期待しながら。

やがて、鏡で状態を確認してみた。
信じられないことだった。
点眼する前と何ひとつ変わっていなかったのだ。

むしろ、ほかの白目部分がクリアーになった分、浮き出た血管が余計に目立っている。
ある程度は血管が目立たなくなるだろうと思っていただけに、本当に心底ショックだった。
何もかもが嫌になった。

それから何度も何度も鏡で確認した。
デジカメで写真も撮った。
見苦しい、汚い、醜い、気持ち悪い、そんな言葉しか思い浮かばない。

この目で一生生きていきなければならないのか……。
そう思うと、意識が遠のき、床に崩れ落ちそうになる。
泣きたいほど辛いのに、なぜか涙は出なかった。

不気味に血管が浮き出たこの目を見ると、生きていく精神力は容易に奪われてしまう。
友達は俺の前から徐々に去っていくだろうし、今の仕事を失くしたら、もう新しい職にも就けないかもしれない。
ピンチは過去に何度もあったが、今度ばかりは死刑宣告に等しい。

俺と一緒に食事したら、きっと食事がまずくなる。
俺と一緒にドライブしたら、美しい景色も色褪せる。
俺と一緒にシュノーケリングしたら、海の美しさが汚れる。

何のためにここまで生きてきたのだろう。
こんな醜い顔でどうやって生きていけばいいのだろう。
本当に辛い。

泣いても、嘆いても、後悔しても、絶望しても、もう何も変わらない。

すれ違う人たちの白目を見てしまう。
みんなとても綺麗な目をしている。
真っ白い健康的な白目だ。

だがそんなことは当たり前すぎて、誰もそれが「幸せなこと」だとは気付いていない。
俺だけが一方的に、それを羨ましく見つめている。
ずっと「幸せ」を探してきた人生なのに、こんな「当たり前のこと」が幸せだったなんて皮肉だ。

うわぁ、醜い目――。
こんな風に生まれてこなくてよかった――。
こんな不気味な目でよく人前に出れるな――。

被害妄想だということはわかっている。
だが毎日見ている自分でさえ気持ち悪いのに、見慣れていない人が見たら、きっとこう思うに違いない。
もう人生に何の希望も見出せなくなった。

白目の血管が目立つくらいで大げさだ――。
そう言われても仕方ないと思う。
実際に世の中にはもっと大変な思いをしている人が数えきれないほどいる。

もっと強く生きなければならないことはわかっている。
それはわかっているのだが、俺にはどうしても現実を受け入れることができない。
こうなる前の過去ばかり振り返ってしまう。

今まで誰かを傷つけてしまった罪の代償なのかもしれない――。
2017/05/03 Wed. 23:00 | trackback: -- | comment: -- | edit